2024年4月24日伝わる話は『考える力』と『伝える力』のかけ算
★伝わる話の法則とは?
突然ですが、伝わる話の法則をご存じですか?
伝わる話 = 考える力 × 伝える力
これが伝わる話の法則です。
事前に話す内容をよく考え、相手に伝わる話し方をして、初めて自分の言いたいことが伝わります。
しかも、考える力と伝える力は、かけ算で効いてきます。
例えば、事前に自分の言いたいことが80%まとまったとし、それを相手に話した結果、まとめたことの80%伝えられたとします。
この場合、考える力が80%、伝える力が80%でそのかけ算ですから、言いたいことの64%しか伝わっていない、ということになります。
従って、自分の考えや意見をきちんと相手に伝えようとするなら、事前に考えることと、それを適切に伝えることの2つに留意する必要があります。
特に、私たちは話す前によく考えるということを、おろそかにしがちです。
今回は、話す前によく考える=充分な準備をする、ということについて考えたいと思います。
★話す前の準備はとても大切
日本話し方センターの話し方教室では、話し方のトレーニングとして、人前で2分間のスピーチを行うことを取り入れています。
人前でのスピーチがある程度できれば、他のどんな場面でも落ち着いて話すことができます。
話し方教室の最初の頃は、どの受講生も緊張してスピーチしています。
人前で話してもあがらない、という人はほとんどいません。
このあがりを抑える対策として講師は、話す前に充分な準備をしましょう、ということを徹底してお願いしています。
「スピーチが苦手だ」「人前で話すとあがる」という人のほとんどは、話す前に充分には準備をしていないのです。
苦手なことに対して、できればやりたくない、早くやり過ごしたいという気持ちになるのは人間であればごく自然なことです。
その気持ちを抑えてしっかりと準備すれば、だんだんと人前で話すことに抵抗感がなくなっていきます。
日常の仕事の中での報告や連絡などで「何が言いたいのか分からない」と言われてしまう人にも、実は同じことが言えます。
話すことに苦手意識があったり、相手に「わからない」と言われることに焦りを感じてしまい、準備しないで話し始めた結果、しどろもどろになってしまうのです。
★PREP法で話を展開する
では、話す前の準備はどのようにしたらよいのでしょうか?
幾つか方法がありますが、今回はPREP法というまとめ方をご紹介します。
PREP法では、話を次の様にまとめます。
- 主張(Point)~ 言いたいこと
- 主張する理由(Reason)~ なぜそれを主張するのか
- 理由を支える具体的事実(Example)~ その理由は本当にそうか
- 主張(Point)~ 最後に言いたいことを繰り返す
これらの英語の頭文字を取ってPREP法と呼んでいます。
以下、使い方の例を示して解説しましょう。
- 【主張】今週のミーティングは中止にしよう
- 【理由1】重要案件、緊急案件がない
- 【事実1】4つの議題のうち、2つはメール会議、2つは来週のミーティングでよい
- 【理由2】今は他の仕事を優先した方がよい
- 【事実2】今週は提案資料作成で多くの社員が残業している
まず、何が言いたいのか、を端的にまとめたものが「主張」です。
これを言えば、何が言いたいかは理解してもらえます。
しかし、主張だけでは相手は納得できませんので、なぜそういう主張をするのか「理由」を整理しておきます。
そして、その理由を聞いて相手が「確かにそうだ」と思えるように、その理由を支える具体的な「事実」を用意しておくのです。
場合によっては事実がなくても納得してもらえる場合がありますが、理由は絶対に必要です。
そして「主張」「理由」「事実」ともに、20文字程度の短い文章で整理しておくとよいでしょう。
頭に入りやすいので、話していても忘れることがないからです。
メモしておく場合でも、20文字程度であればサッと書けます。
★訓練すればできるようになる
このPREP法で頭の中を整理してから話すには、ある程度の訓練が必要です。
すぐには難しいかも知れませんが、常に「主張」「理由」「事実」で整理しようという意識を持って取り組むことがとても大切です。
少しずつ、納得のできる話ができていくはずですので、ぜひ実行なさってください。
★ベーシックコースで話し方を総合的に学びましょう!
今回は、『伝わる話の法則』のうち、『考える力』の例として、事前に話の要点をPREP法で整理しておくというお話をしました。
その他にも、相手にわかりやすい話をするポイントは色々あります。
日本話し方センターのベーシックコースでは、それらを体系的に解説し、話すトレーニングを行っています。
ぜひ無料体験教室に参加して、その実際の姿をご覧ください!